もう、5歳になるのに、まだ幼児言葉が抜けない・・・・
「なにちてんの?」「お肉はてゅき。ても、おたかなはきたい。」
(お肉は好き。でもお魚は嫌い)
幼児言葉は舌の動きが悪いことから、起こります。
その要因としては、
1)実年齢が3歳以下―脳の発達状態と舌の動きは密接な関係にあります。3歳以下では、まだ舌の動きが悪くても当たり前ですので、心配は要りません。
2)発達障害の場合
お子様に発達障害がある場合は、実年齢は3歳を超えている場合でも幼児言葉が抜けない可能性があります。
3)舌小帯強直症
舌小帯とは、舌の下側にある、紐みたいなもので、口腔底と舌とを結び付けています。これが舌の先端近くまで伸びていると、舌の動きが制限されてしまうのです。結果として、構音障害を引き起こしたり、ひどい場合は授乳障害を起こしたりします。
この場合は手術の対象になります。手術といっても、現在はレーザーを使用すると、無麻酔下で5分もかかりません。
構音障害は、早ければ早いほど、治りも早いです。逆に、小学生になると、手術をしても回復が遅れます。「どうかな?」と思われたら、一度歯科医院を受診してみましょう。
4)後位舌(低位舌)
いま、この症例のお子様が増えています。3歳を超えると、舌尖(舌の先っぽ)の位置は次第に下の前歯のうらあたりにきます。
これは年齢を経ることにより噛みごたえのあるものを食べる機会がふえてくるため、舌の動きが良くなることからこうなります。
(舌がこの位置にあるのには歯並びにも重大な影響を与えます。詳しい説明は又の機会に)
裏を返すと、舌の位置がここではなく後方にある、ということは、噛む機会が少なく、舌の動きが悪く3歳時並みである、ということになります。
舌の動きが悪いため、当然5歳、6歳になっても幼児言葉のまま、というお子様が出始めているのです。
こういうお子様の場合は、まず噛むことに重点を置かなければなりません。
もしや、と思われたら、とにかく来院をおすすめします。
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